タイム・オブ・ヒーローズ

戦闘機とパイロットということで一見、ドッグファイト中心のアクション作品を想起しがちであるが、本作はイスラム教徒の多いお国柄、イスラム至上主義のテロ組織に家族を奪われるという深刻な社会問題を描き、また組織壊滅のための実際の作戦行動である銃撃戦、徒手による近接本格バトル、などアクション描写も丁寧かつ大胆に描かれる。日本にはまだ馴染みが薄いながら、砂漠や渓谷と海に囲まれ都市部は近代的と観光・景勝地としてのポテンシャルの高いカザフスタンの上空をその美しい機体からマニアの間でも人気の高いSu-27戦闘機が駆け巡る見応え十分。まさに“未体験“に遭遇できる本格アクション・エンタテインメント作品に仕上がっている。

亡き父親の影響を受け、軍に所属する兄弟。兄のスルタンは国防省に所属し、特殊任務につく優秀な情報部員。かたや、弟のベクザトは空軍の優秀なパイロットながら破天荒な性格が災いし、停職処分を受けてしまう。そんな中、凶悪なテロ組織が国内の有志を募り、テロを計画していることを察知したスルタンは組織の壊滅に動き出す。未然にテロリストを乗せた船を確保できたスルタンたちであったが、テロリストの狙いは別にあった。それは、空軍の戦闘機をジャックし首都攻撃を仕掛けるというもの。襲撃に遭い、戦闘機を奪われてしまう空軍。だが、ベグザトも戦闘機に乗り込み追撃を試みる。果たして兄弟は愛する祖国や家族を守るためテロを防ぐことが出来るのか！？