デーモンズ・ゲート 冥界への扉

臨死体験やドッペルゲンガーなど“体外離脱体験”と呼ばれる現象はいくつもあるが、本作に登場するのはその一つの意図的な体外離脱、いわゆる幽体離脱だ。「“アストラル体”とよばれる魂は死後の世界へも旅することが出来る」という研究や実験は古くから行われており、作品の冒頭で「事実に基づく」ものであり「決して真似をないこと」との注意がある。単なるオカルトではない、真に迫る恐怖を描いた本格ホラー作品だ。

幼いころに亡くした母の死の真相を突き止めようとする青年アレックスと、恋心を抱きながら彼の異変に寄り添おうとするアリッサ。2人を演じるのは、「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」のニック・クラーク役で人気のフランク・ディレインと、『レザーフェイス 悪魔のいけにえ』で主人公ジャクソンと行動を共にする看護婦リジー役のヴァネッサ・グラッセ。

アレックスは大学で「幽体離脱で死者と交信ができる」という理論があることを知る。不審な死を遂げた母親に会いたい一心で彼は実験を自らの体で繰り返し、ついには幽体離脱に成功する。しかし死後の世界を覗くことはできず、その日からアレックスには煙のような黒い影が見えるようになる。幽体離脱と黒い影の関係を研究をしている精神科医レフラーの存在を知ったアレックスは救いを求め彼を訪ねるが、実はレフラーはアレックスの母親の主治医だったのだ。やがて彼が見るその影は、次第にその姿をはっきりとさせていき、ガールフレンドのアリッサへも危害を加えようとしてくる。母親と黒い影の関係は？アレックスの行った幽体離脱実験が、開けてはいけない異界との扉を開けてしまったのだろうか…。