
今や一人一台、いや二台持っていたとしてもなんらおかしいものではなく、人々の生活なくてはならないアイテムの一つとなった携帯電話。しかしこの携帯電話も、ある日突然人々の手元に届いたわけではありません。それこそ、山あり谷ありの歴史を歩みながら、少しずつ人々の生活に浸透していったのです。今回は、そんな携帯電話の数奇な人(?)生を振り返ってみましょう。
携帯電話の元祖、ショルダーフォンの登場

日本で初めて「携帯できる電話」が登場したのは、1985年のことです。NTTから発売されたそれは、その名も「ショルダーフォン」。総重量3キロという、マッチョマンでなければ片手で持つことすらはばかられるような、何ともゴツゴツしい見た目の一台でした。 ショルダーフォンはその名前が示す通り、肩に掛けて使うことを前提としていました。なので今のスマホと比べるのも無理があるんですが、当時の広告などでモデルさんがにこやかにショルダーフォンを肩に掛けて通話している写真を見ると、「いやいや、こんな快適そうな感じで電話できるわけないでしょ」と思ってしまいますね。 しかも連続通話時間は40分ほどしかなく、常に充電切れの恐怖にさいなまれなければいけないというおまけつき。 これで月額基本料2万円以上、通話料金1分100円なんていう超高額請求が来るわけですから、当時はいわゆるエグゼクティブクラスの人しか持てない代物だったのです。
携帯電話でのやりとりの源流は、ポケベルにあり?

携帯電話が携帯電話として人々に普及し始めたのは1990年代の後半頃から。ショルダーフォンのようなゴツゴツしたものでなく、しっかりと小型化され、さらに今まではレンタル制だったところから、端末買い取り制になったことで、所有のハードルがグッと下がったのがきっかけです。 さらに色々なメーカーが携帯電話市場に参入してきたことで、価格競争が激化。人々はより安価に、携帯電話を持つことができるようになりました。実際、1990代だけで携帯電話利用者の数は激増しており、1999年には電話番号の桁数が10桁から11桁になるほどの急増ぶりでした。(携帯番号が10桁とか、今では想像もできないですよね……) また1996年には、ドコモが世界初の機能である「着メロ」を開発。好きな音楽を着信音にできるようになりました。当時の人々は、着信音を通していかに自分らしさを表現できるか、自分の好きなアーティストをアピールできるかに頭を悩ませたものです。今思えば、この時代に発表された曲は、着メロを意識したつくりのものも多かったですね。
着メロに採用されるサビの部分はめちゃくちゃこだわって作るけど、メロディ部分はものすごく適当……みたいな曲も少なくなかったです。 それでも、携帯電話を起点として世の中にムーブメントが巻き起こっていった、携帯電話の転換期と言っても過言ではないのが、この1990年代後半なのです。
2000年代、スマホ登場前に起こった携帯電話の迷走

2000年代に入ると3G回線が始まり、2002年にはドコモがカメラ付携帯電話で撮影した画像を送れるiショットサービスを開始します。このサービスは「写メ」の愛称で親しまれ、人々はより良い性能の携帯電話を求め、毎年のように機種変更をしたものです。 それ以外にも、赤外線通信でアドレス交換ができる機能を付けてみたり、電子マネーの機能を付けてみたり、超強力な防水機能を付けて見たり、ワンセグチューナー内蔵でテレビが見られる機能を付けてみたりなど、携帯電話の進化は止まりません。この進化の方向性が日本独特だったため、「ガラパゴス携帯」「ガラケー」と呼ばれるようになったのですが、筆者はこの進化、嫌いじゃなかったですね。特にテレビが見られるようになったときは、何とも言えない近未来端末感を携帯電話に感じ、急いで買いに行ったものです。(ただ、テレビを見ると電池の減りがえげつなく、実際に活用するシーンはほぼ皆無でしたが……) ちなみに、それまでの携帯電話は携帯会社を変えると電話番号も変わってしまうという非常に不便な仕組みになっていたのですが、番号そのままで携帯会社を変更できるナンバーポータビリティ制度が開始されたのが2006年の頃。最近の若者たちだと、電話番号が変わってしまう事態なんて、あり得ないと感じるかもしれませんが、昔は割と頻繁に起こり得ていたんですよね。 そして2008年、日本にiPhoneという黒船がやってきたことにより、日本にも徐々にスマホ文化へと移り変わっていくことになります。
コミュニケーションの在り方を変えたスマホ

2010年代になると、4G回線が始まったことで、人々はより快適に携帯電話を使うことができるようになります。 また2008年にソフトバンクから発売されたiPhoneは、2011年にはKDDIから、2013年にはNTTドコモからも発売されるようになり、さらにはAndorid端末も台頭してきたことによって、人々にとってスマホが極めて身近な存在へと進化していきました。

2010年当時、KDDIユーザーだった筆者は、iPhone欲しさにソフトバンクへ乗り換えたのですが、その直後にKDDIからiPhoneが発売されることが発表され、何とも言えない気分になったのを今でもはっきりと覚えています。 そして、スマホの普及に伴い、FacebookやTwitterといったSNSの人気も上昇。さらにLINEのようなメッセンジャーアプリも登場し、人々のコミュニケーションの手段は、電話ともメールとも異なる、新しい段階へと進むことになったのです。
これからも進化を続ける携帯電話

2020年には、4Gよりもさらに高速で便利な5Gがスタートし、これからのスマホが果たす役割にも、大きな変化が訪れると予想されています。 薄くなったり、軽くなったり、丈夫になったり……4Gの中で進化を続けてきたスマホが、5Gになることでどのように変わっていくのか。TwitterやInstagramが台頭したように、メディアやコミュニケーションツールも大きな変貌を遂げていくことになるのか。ワクワクが止まりません。
まとめ
携帯電話の今昔物語として、その歴史を見てきました。振り返ってみれば、はじめてiPhoneが登場したのも今からおよそ15年も前のことであり、時の経過の速さに驚かされますね。ガラケーからスマホになった時の抜群の進化感というかSF感というか、そうした感動的な体験が5Gになることで再び訪れてくれれば最高です。私たちも、こうした時代の変化に置いていかれないよう、しっかりと最新機器に触れる経験を積んでおくことが大切ですね。 ゲオでは、中古スマホやタブレットを格安で入手することができるので、最近のスマホの性能を確かめてみたい方は、一度購入を検討してみてはいかがでしょうか。スマホやタブレットを持つからこそ見えてくる、新しい世界がそこにあるはずです。