有機ELと液晶の違い

有機ELと液晶を知ろう
薄型テレビやスマホ、ゲーム機などの紹介でよく目にする「有機EL」「液晶」という言葉。しかし、それぞれがどのような特徴を持つものなのか、詳しく知っている人は多くないのではないでしょうか。
本記事では、有機ELと液晶の違い。仕組みや特徴、それぞれのメリット、デメリットなどを解説していきます。どちらを選ぶべきか迷っている方へ、商品選択のご参考になりましたら幸いです。
それぞれの特徴
有機EL
有機ELは高画質で最先端のディスプレイというイメージがありますが、その最大の特徴はディスプレイ自体が光ることにあります。
ディスプレイ自体がホタルの光のように光って映像を映し出すため、応答速度が速く、スポーツやゲームといった動きの速い映像も、美しくなめらかに映し出せるという強みがあります。電圧をかけた瞬間にディスプレイ自体が発光し、輝度も瞬時に調整できるので、スピーディに映像を切り替えられるのです。また、発光に必要な電圧は数ボルト程度と少ないため、省エネにつながります。
有機ELはバックライトを必要としない1層構造のため、ディスプレイを極限まで薄くできます。将来的には紙のように薄く、自由に曲げることができるディスプレイが登場するかもしれません。
視野角が広く色のコントラストが美しいのも、有機ELの特徴です。有機ELの視野角は180度といわれており、真横に近い位置からでも変わらない色調で映像を楽しめます。また、有機ELの構造上、黒色を完全な黒で表現しやすく、自然界に近い色のコントラストを味わえます。
液晶
液晶は、長らく私たちの生活を支えてくれているディスプレイの種類の一つです。その仕組みは、電圧をかけると配列が変わる分子を並べて、上からカラーフィルムをかけ、バックライトで照らすことで映像を表現するというものです。光を通したり通さなかったりする分子の性質を利用して、バックライトの光で映像を表示させるのです。
有機ELが1層構造なのに比べ、液晶は3層構造となっているため、有機ELよりも厚みが必要になりますが、広く普及しているディスプレイのため価格が安いという特徴があります。
また、ディスプレイとしての寿命が長く、焼き付きが置きづらいため劣化がしづらいというメリットもあります。

有機ELと液晶は発色方法が異なります。液晶はバックライトで映像を映し出しますが、有機ELはディスプレイ自体が発光するためバックライトが必要なく、薄く軽いディスプレイを実現します。
また、液晶はバックライトでカラーフィルターを照らして映像を映すので、どうしても光が漏れてしまう部分があります。そのため、完全な黒色を表現するのが難しいという難点があります。一方、有機ELはディスプレイが発光と消灯を制御できるため、美しい黒色を表現できます。
それではここで、有機ELテレビと液晶テレビの違いを表で見てみましょう。
有機ELテレビ | 液晶テレビ | |
---|---|---|
コントラスト | 完全な黒色を表現し、美しいコントラストを描き出す | バックライトの性能に左右される |
薄さ | 1層構造なので薄く軽い | 3層構造なので最低限の厚みが出る |
視野角 | 180度程度 | 有機ELに比べてやや狭い |
サイズ | 大型テレビが中心 | 小型から大型まで幅広く展開 |
価格 | 高価な商品が多い | 安価なものから高価なものまで |
近年はスマホやゲーム機でも有機ELが採用されるケースが増えてきました。有機ELのスマホは液晶のスマホに比べて薄く軽量で、画質も美しいというメリットがあります。
Nintendo Switchにも有機ELモデルが登場し、世間を騒がせました。従来のモデルよりも画面の縁がスリムになり、画面サイズが7インチまで拡大。大きな画面で色鮮やかにゲームの世界を描き出すので、テレビにつながずNintendo Switchをプレイする場合でも快適に操作できるようになりました。また、視野角が広いという特徴もあり、どの角度で置いても見やすくプレイしやすいというメリットもあります。
ゲオでは、有機ELと液晶のテレビやスマホ、タブレット、Nintendo Switchを販売中です。性能と価格のバランスを見て、お気に入りの一品を見つけてください。
有機ELの
メリット・デメリット
メリット
有機EL最大のメリットといっても過言ではないのが、高画質な映像を楽しめることです。特に黒の表現に関しては、バックライトを必要とする液晶ではどうしても輪郭がぼやけてしまいがちですが、有機ELであればくっきりとした黒を見ることができるでしょう。
バックライトが必要ない有機ELでは、その分のスペースを圧縮することができるため、より軽量かつ薄型のデバイスを実現することが可能です。厚さ数ミリといった超薄型のテレビも登場しており、設置の自由度を高めることができます。
バックライトが不要という点は、消費電力を抑える効果も期待できます。製品によって誤差はありますが、一般的に有機ELは液晶に比べて30%ほど消費電力が少ないと言われており、特にスマホなどの携帯端末では、バッテリー持ちに直結する要素となっています。
有機ELは視野角が約180°となっており、どの角度から見ても綺麗な映像を楽しむことができます。リビングなど、多くの人がさまざまな角度から画面を見るような場所では、有機ELのテレビにした方が快適度が高まるでしょう。
デメリット
有機ELは最大輝度が低いため、屋外などの明るい環境では画面が見えづらいと感じる場合があります。使う場所や使うシーンを考えて選ぶことが大切です。
有機ELは製造コストが高く、液晶に比べると商品価格が高くなりがちです。もちろんその分性能は良いわけですが、かといって液晶の性能が極端に低いというわけではありません。ご予算や設置場所、用途に応じて最適な商品を選択するとよいでしょう。
液晶の
メリット・デメリット
メリット
液晶はバックライトで画面を照らすため、最大輝度が高く、明るいところでも画面が見やすいというメリットがあります。特に屋外で太陽の光がさんさんと降り注いでいるような環境では、液晶でなければ画面が見えないといったことも起こり得るでしょう。
商品によって多少異なりますが、液晶は有機ELよりも製造コストが低いため、価格が安価なケースが多くなっています。特に大型テレビのような高価格帯の商品の場合、有機ELか液晶かで数十万円の違いが出ることも珍しくありません。
液晶は普及してからの歴史も長く、また製造コストが低い関係から、商品レパートリーが多い傾向があります。テレビのサイズに関しても、有機ELのものに比べると幅があることが多いため、自宅のサイズや予算に合わせた選択がしやすくなるでしょう。
デメリット
バックライトで照らすという液晶の仕様上、黒の表現は苦手としており、より色鮮やかなコントラストを楽しみたい場合には、有機ELに軍配が上がります。ただし液晶も日々進化しており、最新のものであれば有機ELに匹敵するコントラストが出せる商品もあります。
液晶は有機ELに比べると視野角が狭く、角度がある状態で画面を見ると、その性能をフルに体感することができません。スマホやタブレットなど、自分しか見ないデバイスであれば問題ありませんが、リビングのテレビのような、多数がさまざまな角度から見るようなデバイスの場合は、有機ELの方が見やすいと感じるでしょう。
まとめ
有機ELも液晶もそれぞれ仕組みが違う事によって特徴が異なります。お客様のご予算、好み、使用目的、設置場所に合わせて、ぴったりの商品をお選びいただければ、より快適にお使いいただく事ができるのではないでしょうか。ゲオなら各種ディスプレイの商品を様々なスペックと価格帯で豊富に取り揃えています。テレビやスマホ、ゲーム機のご購入は是非ゲオで!